コールセンターの「技術」
1ヶ月もアップを休んでしまいました。この間、個人的に大きな環境の変化があり、なかなか書こうという気持ちになれず、ついつい遠のいてしまったというわけです。
さて、今日はパソコンなど家電製品の苦情や相談を受け付けるコールセンターについて、思うところを書いてみようと思います。
僕は、かなり頻繁にコールセンターを利用します。パソコンやHDDレコーダーの調子が悪くなると、まっさきに電話をかけます。いろいろいじるより、電話で直接教えてもらうほうが、はるかに解決が早いことを、経験で知っているためです。
しかし、この電話というものが、なかなかつながらない。これは皆さん、経験がおありでしょう。ときには、数時間かけてもつながらないこともあり、いくらフリーダイヤルとはいえ、さすがにカリカリしてきます。
もともと、必要な作業ができずにいらいらしているわけですから、さらにカリカリして、ようやく電話がつながったときには、担当者にひとこと嫌味でも言ってやろうか、くらいの意地悪さができあがっています。
ところが。。。。いつもいつも感心するのは、こうしたコールセンターの担当者の電話応対の「うまい」こと。電話越しに複雑なパソコンの操作を指示し、専門知識もまちまちな利用者からの口頭での「状況報告」を解読しながら、さらに指示を出し、ほぼ100%を解決に導く。さらにさらに、その過程において、たいていの利用者が抱いている「怒り」「苛立ち」をやわらげ、最後には問題解決とともに「ありがとう!」と言わしめる、この能力には脱帽します。
ほんの数日前も、そうでした。
どこでもモバイルで高速インターネットができるように、と一念発起して購入した、ドコモのフォーマ・ハイスピード(USBデータ端末)が、さっそく稼働せず、イライラの爆発寸前、外出先のファミレスから電話してみたところ、男性の担当者が懇切丁寧に、エスコートしてくれました。
どのコールセンターでも共通する対応は、決して利用者と「ケンカ」しないということでしょう。「何時間待たせるのか」「買ったばかりなのに」と、おそらくは山のような罵詈雑言を浴びているだろうと想像しますが、絶対に言い返すことをしません。
そして、動作の指示を正確に(丁寧に)出し、その結果を正確に把握しながら、一歩一歩、前に進んでいく。パソコンの再起動やアプリケーションの起動などで、数分間、間があくときも、じっと待ちます。
この正確さ、丁寧さ、さらには時間を惜しまない態度が、利用者の怒りや苛立ちを徐々にやわらげ、信頼を醸成していくのだろうと思います。
だから、問題が解決した瞬間は、思わず「ありがとうございました!!」と深々と頭を下げたくなります。イライラが募った状態から、見知らぬ相手と電話だけで話し、やがて深い感謝の念へと劇的に変化する、というのは、かなり稀有なコミュニケーションの成功事例だと思います。
数年前、大手プロバイダさんの仕事で、そのコールセンターを見学させてもらったことがあります。オペレータとお客さんのやりとりを横からヘッドホンで傍聴できるのですが、オペレータの高度な技術と、それをサポートするさまざまなシステム、さらには電話のやりとりにとどまらず一般教養まで含めた研修メニューなど、あまりのレベルの高さにびっくりしたものです。
しかも、コールセンターは企業にとってコストセンターですから、かけられる予算は限られています。
このプロバイダでは、コールセンターを、新たな顧客を生み出し、また既存顧客の満足度を高めるための「攻め」のセクションとして位置づけていました。コールセンターがまとめる「顧客の声」は、開発・営業・経営セクションに迅速に提供され、企業の戦略の根幹に反映される仕組みができていたのです。
自分が電話をかける立場になると、その考え方は、よくわかります。
いつの時代でも、電話はビジネスの重要なツールであり、PRビジネスもそれは同じです。次回は、PRビジネスで直面する、「メディア相手の電話かけ」について、考えてみたいと思います。
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